2020/4/22
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SLAP損傷 |
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SLAP損傷は上方関節唇損傷のことを指します。 不安定な肩関節を安定させるために存在するのが関節唇です。関節唇は関節窩の縁に付着しているリング状の軟骨であり、上腕骨頭と接地面積をより大きくすることで、関節の安定性・適合性を高めています。また骨同士がぶつかる衝撃・摩擦を和らげたり、関節の動きをスムーズにする働きも持っています。関節唇の上部には上腕二頭筋長頭腱が付着しています。
(病態) SLAP損傷(上方関節唇損傷)は肩関節におけるスポーツ障害の一つで、関節唇という軟骨組織が上腕二頭筋の作用によって剥離・断裂してしまった状態です。主に野球選手に多くみられますが、転倒や交通事故などで肩を強打した際にも発生することがあります。
(原因) オーバーユース 野球の投球動作やバレーボール・テニスなどのサーブ時において、関節唇に付着する上腕二頭筋に対して強い収縮力が働きます。すると上腕二頭筋が収縮すると付着している関節唇に対しては伸張ストレスが加わります。この伸張ストレスが繰り返し加わることによって、徐々に関節唇が損傷もしくは剥離してしまいます。また腕や肩を捻る動作も上腕二頭筋に対してストレスが加わります。
好発するスポーツとしては野球をはじめ、肩よりも腕を高く上げる動作が伴う「オーバーヘッドスポーツ」と呼ばれるスポーツにおいて多く発生します。野球、テニス、バレーボール、ハンドボール、水泳、陸上(投てき種目)等が挙げられます。 急性外傷によるもの SLAP損傷はスポーツにおけるオーバーユース以外にも、急激な外力が加わることによっても発生します。転んで手を着いた際、 腕を強く引っ張られた際に起こる可能性があります。 投球動作時の痛み 肩の不安定感 肩の引っかかり感 肩を動かした際に音がする(クリック音) 手を上から背中に回すと痛い 反対の肩を掴むと痛い 野球選手の場合、投球動作においてはコッキング(腕が上がってくる)という動作からリリースする際にかけて痛みが現れることが多いです。しかし痛みは投げる際のみで日常生活では全く痛くないというケースも見られます。
(分類) SLAP損傷のタイプ SLAP損傷は冒頭でも説明したように上方関節唇の損傷です! SLAPの損傷は、損傷形態により4タイプに分かれています! タイプ Ⅰ:関節唇の変性 タイプ Ⅱ:関節唇の剥離 タイプ Ⅲ:関節唇のバケツ柄様断裂 タイプ Ⅳ:上腕二頭筋長頭腱も含む損傷 中でもタイプⅡが発症頻度としては最も多いとされています!
(治療)
検査方法として、徒手検査法、エコー、MRIが有効です。 基本的にはそこの部分に負担がかからないようにするためのコンディショニング(肩甲胸郭機能の改善のための機能改善及び向上)が治療になります。リハビリにて肩甲帯のコンディショニングが改善されたにもかかわらず症状が残存するときには、損傷している関節唇の縫合、修復術、等の手術を行うこともあります。 当院では、西洋医学や東洋医学など多角的に症状がどこからきているのか全身見立てで、症状改善を図ります! 筋緊張を和らげ患部の状態を向上させるため、手技療法を加えて、全身的に体をよくします。 また、超音波、微弱電流、による組織回復促進、疼痛緩和、ハイボルテージによる筋緊張の緩和等、物理療法を個々の症状に合わせ、早期回復を目指します。 その後運動療法として再発防止、体の機能、使い方の向上のため、セルフストレッチ、チューブトレーニング、エクササイズ等運動指導を行います! また、EMSを用いてインナーとアウターのバランスをよくする等の筋力強化を図ることも可能です! |
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