腸脛靭帯炎(runner’s knee)
腸脛靭帯は骨盤の腸骨稜と呼ばれる部分から脛骨のガーディー結節(脛骨の外側)に至る靭帯で、この靭帯と大腿骨外側上顆との間で、膝の屈伸の際に、摩擦などのストレスがかかり炎症します。
(病態)
膝関節の屈伸、ランニングなどの動きの中で繰り返しかかる摩擦などのストレスにより、腸脛靭帯と骨膜が直接刺激されたり、外側上顆の上にある滑液包に炎症が生じます。
骨のアライメント状O脚の人は外側へ体重がかかりやすかったり、力学的トルクがかかりやすいため、男子に多くみられます。
陸上中長距離の競技者に多く、道路やトラックなどの関係で傾いた路肩を走ったりしたときの外側の脚に発生することが多いです。
(診断・症状)
ランニングする距離など運動負荷が増加するとともに出現する疼痛で、膝屈伸時の膝概則の刺すような痛みである。
局所所見として外側上顆上の腸脛靭帯に圧痛、腫脹、屈伸に伴う軋むような音が認められます。
また、徒手的検査やエコーなどで確認することができます。
(治療)
急性期には、ランニングを中止させ症状が軽快するまで消炎鎮痛薬の投薬と局所安静を図ります。
坂道や路肩の傾斜のある面を避け、芝や土など弾力のある走路を選び、慢性期となりランニングを開始するときは、スライド走法は避け、歩幅の短いピッチ走法が好ましいです。
また、練習後のアイシングを徹底させるとともに、大腿筋膜張筋から腸脛靭帯にかけてのストレッチングやマッサージで局所の緊張をとるなどのケアが有用です。
その他にも、下腿がやや内旋傾向をとる走者では下腿の外旋を促すテーピングを行ったり、明らかなO脚などがある場合はインソールや足底板などが症状改善に有効です。
当院では、西洋医学や東洋医学など多角的に症状がどこからきているのか全身見立てで、症状改善を図ります!
崩れてしまっているバランスを整えるため、手技療法を加えて、全身的に体をよくします。
また、超音波、微弱電流、ハイボルテージ等、物理療法を個々の症状に合わせて行い、疼痛緩和、筋緊張の緩和、組織の早期回復を促進させます。
その後運動療法として再発防止、体の機能、使い方の向上のため、セルフストレッチ、チューブトレーニング、歩行や動作指導等、運動指導を行います!