2020/5/4
|
|
半月板損傷 |
|
半月板損傷は、ジャンプの着地やストップ&ターンでバランスを崩したときに起こり、内側側副靱帯や前十字靱帯の損傷を伴うケースが多くみられます。半月板は膝内部の内側(内側半月板)と外側(外側半月板)に1枚ずつあります。大腿骨と脛骨からなる関節面に介在して膝の動きをスムーズにしたり、膝関節の動き(屈曲・伸展、内旋・外旋)に際して膝関節を安定させたりするとともに、ジャンプなどの衝撃を分散させるクッション的な役割(衝撃吸収)を果たしています。この半月板が、スポーツ活動などによって膝をひねったときに摩擦などのストレスで損傷(断裂)することがあります。半月板を損傷すると膝関節の疼痛や運動制限が発生します。 (アスリートでは) バスケットボール、バレーボール、体操、サッカー、テニス、野球、スキーなどのコンタクトスポーツや外傷が起こるスポーツで発生頻度が高いです。
(原因) 膝をひねるようなあらゆる場面で起こりますが、ほとんどはスポーツ活動中に発生しています。ジャンプ着地などに際して膝関節が屈曲しつつ回旋(ひねり)が加わると、水平方向のストレスが加わります。そのストレスによって半月板を部分的もしくは全体的に損傷(断裂)します。例えば、片足で床を滑ったとき、横から膝にタックルされたとき、ジャンプ着地時に膝が外反屈曲してひねりが加わったとき、などに発生します。水泳の平泳ぎでも起こります。平泳ぎで起こるのは膝に繰り返しのひねりの力が加わるためであり、ランニングなどの単純な動作でも徐々に半月板が摩耗して起こります。 また、小児の半月板損傷は、先天的に円盤状半月を持つことが原因で起きることが多く子どもが成長するに従って、動きが活発になったり、運動量が増えたりすると、半月板の損傷が起きやすくなります。 (合併症) 半月板を単独で損傷するよりもむしろ、前十字靱帯や内側側副靱帯の損傷を併発しやすく(約6割)、関節軟骨の損傷を伴うこともあり、注意を要します。また逆に、前十字靱帯単独損傷の後遺症で膝に緩みが生じ、それが誘因となって半月板を損傷するケースも多く見られます。 (急性症状) 急激なストレスによって受傷したばかりのときは、疼痛が主症状であり、膝を伸ばすときに一瞬引っかかるような違和感(引っ掛かり)が常にあります。断裂部位が大きく、関節内に半月板の一部が嵌入(かんにゅう)したケースでは、関節がある角度から伸展できない状態(ロッキング症状)となり、激痛及び可動域制限が起こり、歩行ができなくなるケースもあります。半月板の損傷部位に一致して膝関節部に圧痛及び運動時痛があります。内側半月板損傷のほうが、外側半月板損傷より5倍も多く発生しています。 (慢性症状) 慢性化すると関節炎が起こります。膝関節に水や血がたまる水腫や血腫を合併します。さらに長期化すると、患側を無意識でかばうために大腿四頭筋が萎縮してきます。さらにひどくなると、断裂した半月板がめくれて大腿骨や脛骨の関節の軟骨を傷つけ、骨を変形させる(変形性膝関節症)原因にもなります。 膝関節に上記の症状が発生したら、まず整形外科専門医を受診し、傷害の内容や程度を把握すべきです。半月板はレントゲンに写りません。診断はMRI検査が有用です。MRI検査は痛みもなく、診断率も90%以上と非常に高いのです。 最終的には、関節鏡検査を行って確定診断を下します。 損傷の形は原因によりさまざまで、形態により縦断裂、横断裂、水平断裂、変性断裂に分類される。内側半月板がバケツ柄断裂し、その一部が膝関節内部に嵌入している。内側と外側の大腿骨の軟骨も傷ついていることが多くあります。
(治療・リハビリ) 多くは保存的治療で症状が軽快します。軽症であれば、装具やテーピングなどの補助補強、疼痛軽減目的での投薬やリハビリテーションを行います。初期には局所の安静、関節穿刺〈せんし〉による関節液の吸引、局所麻酔剤や最近ではヒアルロン酸注射が主流です。以前は抗炎症としてステロイド注射を頻回に行っていましたが、副作用に注意を要します。筋萎縮予防や疼痛の軽減を目的として、大腿四頭筋訓練、膝関節周囲の物理療法(低周波や干渉波による電気刺激)も実施します。 また、股関節や足首など下肢全体の関節が柔軟だと、膝へかかる負担が軽減されやすくなり、半月板損傷の予防にもつながります。膝関節自体も柔らかい状態にしておくことが大切で、そのためにも、普段からストレッチやエクササイズを習慣づけ、運動する際には、ウォーミングアップをしっかり行うようにして、体全体の柔軟性を保つようにすることも大切です。 (手術) ロッキング症状、もしくは繰り返しの半月板損傷、持続する疼痛、しつこい水腫(膝に水がたまる)などがある場合に手術を行います。最近では関節鏡視下(内視鏡)で半月板を切除したり、半月板辺縁部の断裂例では縫合術を行ったりします。術後には適切なリハビリ期間が不可欠です。術後2〜3週目より動的なリハビリテーションを開始しますが、術後2ヵ月くらいまでは激しい運動は避けるべきです。スポーツの完全復帰は5~6ヶ月で可能です。
当院では、西洋医学や東洋医学など多角的に症状がどこからきているのか全身見立てで、症状改善を図ります! 崩れてしまっているバランスを整えるため、手技療法を加えて、全身的に体をよくします。 また、超音波、微弱電流、といった物理療法を個々の症状に合わせ疼痛緩和、早期回復を促進させます。 その後運動療法として再発防止、体の機能、使い方の向上のため、セルフストレッチ、チューブトレーニング、歩行や動作指導等、運動指導を行います! また、EMSを用いて状態に合わせた筋力強化を図ることも可能です! |
|