むちうち(頚椎捻挫)
頚部外傷の中で、脱臼や骨折がなく神経症状のないものを頚椎捻挫といいます。
頚椎捻挫の損傷部位は様々ですが、頚の椎間関節の捻挫、筋肉の微細損傷、椎間板の損傷などが考えられます。
(発生機序)
体幹に衝撃力を受けることによって、椎間関節に比生理的な挙動起こり、椎間関節にインピンジメント(衝突)が生じると考えられています。
(症状)
頚部の痛み、肩甲帯の痛み、上肢のしびれ、頭痛、吐き気、
めまい、眼症状、耳鳴り
これらにの症状のうち頚部痛、肩甲帯の痛み以外のいわゆる不定愁訴と言われる症状が前面に出て慢性化する場合は外傷性頚部症候群(むち打ち症)その詳細な病態は明らかにされていません。
しかし、椎間関節には膝関節の半月板に似た介在組織である滑膜ひだが存在し、椎間関節インピンジメントによってこの滑膜ひだ炎症を起こすことによって、さまざまな症状が出ると考えられています。
頚椎捻挫受傷者に出現する頚部痛は数時間経過後、あるいは発生することが多いです。
(診断)
頚椎の椎間関節障害の症状として、頚部から肩甲帯にかけての疼痛が出たりします。
椎間関節部の圧痛の有無を頚椎後方、正中より1~2横指離れた部位の圧痛の有無を確認し、頚椎の可動域を診ます。椎間関節に障害を有する場合には、伸展挙動(上を見る動き)が制限されます。
頚椎を伸展させながら、患側へ回旋させることによって疼痛が誘発されれば椎間関節障害が疑われます。
通常は神経学的所見において異常所見を認めないが、関節の炎症が隣接する神経根にも影響を与えることによって上肢、手指のしびれ感を訴えることがあり、この症状を神経根障害と鑑別するためにも、深部腱反射、筋力テスト、知覚テストなどの神経学的所見を診ることが必要です。
また、椎間関節の炎症により伸展制限が生じているには頚椎側面X線写真において局所的後湾が生じる。
(治療)
急性期で熱感、痛みがある場合はアイシングを行うなど、炎症をおさめ頚部、肩甲帯の筋緊張による二次的な頚部痛、肩こりに対して湿布や、マッサージやストレッチ超音波などの理学的治療が有効となります。
頚椎カラーの装着は頚部運動時痛が著しい際には必要となるが、運動時痛が強くない際には装着しないほうが予後が良いとも報告されており、長期の装着は避けたほうが望ましです。
日常生活、あるいはスポーツ活動によって頚椎の伸展挙動を繰り返している場合には、頚部痛、頚部の違和感、首が詰まった感じ、肩こりなどの症状が軽減しにくくなり、慢性化する場合もあるので注意が必要です。
予防としては頚部周囲の筋群を、トレーニングを行うことによって衝撃を受けた際の障害発生を予防することが期待できます。
当院では、西洋医学や東洋医学など多角的に症状がどこからきているのか全身見立てで、症状改善を図ります!
崩れてしまっているバランスを整えるため、手技療法を加えて、全身的に体をよくします。
また、超音波、微弱電流、ハイボルテージ等、物理療法を個々の症状に合わせて行い、疼痛緩和、筋緊張の緩和、組織の早期回復を促進させます。
その後運動療法として再発防止、体の機能、使い方の向上のため、セルフストレッチ、動作指導等、運動指導を行います!