足部の疲労骨折


2020/5/27

足部の疲労骨折

足部の疲労骨折

 

病態

疲労骨折は骨組織の同一部位に軽微な外力が繰り返し加えられた結果生じる骨折の総称です。

比較的激しい運動の開始、運動時間の増加、運動内容の変更などを契機に発症し運動中や運動後に、負荷の加わった部位に慢性的疼痛を訴えることが多くあります。

通常ですと安静時に症状がないことが多いですが、発症している場合、安静時や歩行時にも疼痛を伴うことがあります。

発症のメカニズムとして、筋力の低下が原因で骨にかかる負荷が増大するために生じるという説と、筋肉の牽引力が過大となり骨の負荷が増大するという説があります。

 

診断

運動あるいは運動後に慢性的な疼痛があり、局所の圧痛、熱感、腫脹、硬結などを伴えば本症が疑われます。X線検査にておおむね診断可能ですが、初期の仮骨形成されていない時期では陰性になることもあります。

 

第2~4中足骨疲労骨折(行軍骨折)

発生機序は、第2・3中足骨に発生することが多く、荷重によって足のアーチの一部を担う中足骨の底側に筋肉などの牽引力が加わり、ランニングでは第2中足骨に最も大きなひずみが加わるとされています。

診断としては、運動、荷重時の前足部の疼痛、圧痛があり、やや腫脹を伴うことがあります。

治療は2~3週間の運動休止で快方に向かうことが多いですが、回復には1~2ヶ月を要します。免荷の必要はなく、足底板を用いると疼痛の消失が早いです。

 

ジョーンズ骨折(第5中足骨疲労骨折)

第5中足骨近位端から約2センチ部位の骨折をジョーンズ骨折と呼びます。

前足部にてストップ動作を繰り返す種目に多くみられるとされており、第5中足骨の基部には靭帯のほか、短腓骨筋腱や第3腓骨筋腱が停止します。中足骨頭に底側、外側からの応力が加わると、靭帯や腱の付着する近位部のすぐ遠位に発症するもので、徐々に疼痛が出現するものと急激に発症するものがあります。

安静によって骨癒合が得られることもありますが、運動の再開で再骨折をきたすことが多く、難治性の疲労骨折とされています。

同じ近位端骨折でも骨折線が第3腓骨筋腱停止部より近位にあるものは、短腓骨筋腱による裂離骨折で予後は良く、結節部骨折あるいは下駄履き骨折として区別されます。

 

診断では第5中足骨近位骨幹端部に疼痛、圧痛を認め、X線検査やエコーなどの画像診断が有効です。

 

治療

保存療法を行う場合は再発の可能性をよく説明し、6週間程度の免荷を行い、競技復帰は3カ月後を目安とします。

荷重開始後は足底板を使用します。

超音波骨折治療器などの物理療法も有用で、手術療法後では1~2週間のギブス固定後、足底板を使用して荷重を許可、6週後に運動を開始させ、完全復帰は骨癒合が得られてからが望ましく、骨癒合が得られてからも1年程度は抜釘は行いません。
 

当院では、西洋医学や東洋医学など多角的に症状がどこからきているのか全身見立てで、症状改善を図ります!

崩れてしまっているバランスを整えるため、手技療法を加えて、全身的に体をよくします。

また、超音波、微弱電流、等、物理療法を個々の症状に合わせて行い、疼痛緩和、筋緊張の緩和、組織の早期回復を促進させます。

その後運動療法として再発防止、体の機能、使い方の向上のため、セルフストレッチ、チューブトレーニング、動作指導等、運動指導を行います!




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