過剰骨障害
三角骨の概論
足部の三角骨と呼ばれる過剰骨は距骨の後方に存在し、通常は無症状です。症状が出現する場合の多くはスポーツに関連しており、足関節底屈強制(つま先が下を向く)により三角骨は脛骨後果と踵骨後隆起という部位に挟まれ、その結果足関節の後方に疼痛が発生します。
このような病態を有痛性三角骨、三角骨症候群といいます。
踵骨後方には内側と外側の二つの突起があり、それぞれ内側結節、外側結節と呼ばれており、そのうち外側結節が距骨本体からX線画像上、分離しているものを三角骨とよびます。
スポーツ活動に関係してくるものだと通常は無症状ですが、スポーツ活動や外傷を契機として、後足部の疼痛を引き起こします。
上記であげた要因、メカニズムで疼痛が誘発されるものをナッツクラッカーメカニズムといいます。
診断
後足部の疼痛を訴える患者において、外果後方で外果とアキレス腱の間に圧痛があり、関節底屈を強制して疼痛が誘発されれば本疾患を疑います。
X線検査やCT検査が有用です。
外脛骨の概論
外脛骨は副舟状骨とも呼ばれ、舟状骨内側後方に後脛骨筋腱が付着する部位に存在します。外脛骨事体は病的とはいわれませんが、慢性的運動負荷や外傷を契機として疼痛が発生すると有痛性外脛骨となり治療の対象となります。多くは安静によって軽快しますが、運動量が増えると疼痛も強くなりスポーツや私生活の障害となります。
後脛骨筋腱付着部の炎症により後脛骨筋の作用が低下するため、外反扁平足を合併しやすいです。
発生機序
足関節内果より前下方の骨性隆起部分の疼痛を訴え疼痛の原因は次の4つが考えられます。
1・外脛骨の隆起部が靴に圧迫されて生じるもの
2・後脛骨筋腱が付着部で有効に作用しないために生じる扁平足による中足部の疼痛
3・後脛骨筋腱の非特異的炎症
4・外脛骨と舟状骨との線維性軟骨結合に外傷などが加わって断裂して生じる軟骨炎
診断
足の内側へ痛みを訴え足関節内果の2横指前下方に骨性隆起がみられ、同部位や後脛骨筋腱に沿った圧痛があります。
治療
軽傷例では運動時痛と運動後の疼痛を訴えますが安静により軽快します。疼痛以外に熱感などの炎症症状がある場合にはアイシングにより症状軽減と回復促進を図ります。
また、テーピングやインソールにより患部にかかるストレスや障害を緩和させることも重要とされます。
後脛骨筋の機能低下をさせないためのマッサージやストレッチ、エクササイズを行い、ケアと機能訓練をおこないます。
炎症症状が強いと発赤や腫脹がみられ、歩行にも支障が現れ、安静にしても改善しない場合は外科的治療が必要になることもあります。
当院では、西洋医学や東洋医学など多角的に症状がどこからきているのか全身見立てで、症状改善を図ります!
崩れてしまっているバランスを整えるため、手技療法を加えて、全身的に体をよくします。
また、超音波、微弱電流、ハイボルテージ等、物理療法を個々の症状に合わせて行い、疼痛緩和、筋緊張の緩和、組織の早期回復を促進させます。
その後運動療法として再発防止、体の機能、使い方の向上のため、セルフストレッチ、チューブトレーニング、動作指導等、運動指導を行います!