肘内側骨端核障害


2020/6/3

肘内側骨端核障害

肘内側骨端核障害

 

内側型野球ひじの一つで、野球の投球動作の繰り返しによって肘関節に生じる疼痛性障害の総称で、その中には肘関節の多くの病変が含まれます。発症の時期により、まず、二つに分けられます。

発育型野球肘

成長途上の骨端(骨の両端にある軟骨や成長線を含む部位)を中心とする骨軟骨の障害。

成人型野球肘

成長完了後の関節軟骨や筋腱付着部の障害。

 

病態

投球動作では、コッキング期からアクセレレーション前期に腕が前方に振り出される際、肘に強い外反ストレスが働き、さらにその後のアクセレレーシュン期からフォロースルー期には、手首が背屈から掌屈に、前腕は回内するため、屈筋・回内筋の付着部である上腕骨内側上顆に牽引力が働きます。この動作の繰り返しにより、内側側副靭帯損傷、回内・屈筋群筋筋膜炎(肘内側に付着する筋腱の炎症)、内側上顆骨端核障害(内側の成長線の障害)などが起こります。

骨端核障害の場合、ジュニア期ですと内側上顆の骨の赤ちゃんでもある骨端核が剥離してしまい運動時や安静時に痛みを伴います。

成長とともに靭帯の中に骨端核が吸収されてしまった場合は、投球動作時に肘の内側に痛みを伴い、この場合は手術の適応となります。

 

肘の障害につながる機能障害

肘の障害の一つが肩甲帯の機能障害です。具体的には肩甲骨周囲にある筋肉の硬さや弱さのために、投球動作中に肩甲骨が適切な位置に動くことができなかったり、下肢と体幹で生み出された大きな力が効率よくボールに伝わらないだけではなく、肘に無理なストレスをかけてしまい障害を起こします。

また、股関節が硬くなったり安定性が低下すると、軸足で上手く立てなくなり、バランスを崩したりフォームの始動が乱れたりします。また、ステップ足への並進運動が乱れたり、体が開きやすくなります。この結果、運動連鎖が乱れ肘に負荷がかかることになります。

体幹の機能も重要で、胸腰椎の柔軟性が低下していると肩甲骨の動きも低下します。

 

治療

強い炎症が生じている場合、まずは局所の炎症を抑える治療を行います。具体的には、投球など痛みのでる動作は中止してもらい安静にしてもらいます。機能障害が改善していない状態で投球を継続すると炎症が落ち着きません。組織の回復を図るため、マッサージやストレッチ、超音波などの物理療法を加え、筋タイトネスを取り除き筋肉などの軟部組織の状態を良くします。その後投球フォームや体の機能向上のためのリハビリテーションを行い、少しずつ投球の開始しに移ります。腱や靱帯、軟骨などの損傷が問題になっている場合は、関節鏡を用いた侵襲の少ない手術を行って損傷している組織を修復します。

当院では、西洋医学や東洋医学など多角的に症状がどこからきているのか全身見立てで、症状改善を図ります!

崩れてしまっているバランスを整えるため、手技療法を加えて、全身的に体をよくします。

また、超音波、微弱電流、等、物理療法を個々の症状に合わせて行い、疼痛緩和、筋緊張の緩和、損傷した組織の早期回復を促進させます。

その後運動療法として再発防止、体の機能、使い方の向上のため、セルフストレッチ、エクササイズといった運動指導を行います!




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