2020/6/10
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肘関節内側側副靭帯(MCL)損傷 |
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肘関節内側側副靭帯(MCL)損傷
病態 外傷でのMCL損傷はスポーツ中などの転倒による肘関節への外反負荷により生じ、脱臼を合併して内外測の両靭帯を損傷することもあります。 障害での損傷は、投球や投擲による外反ストレスが度重なることによって生じます。 小児期の障害では、靭帯よりも靭帯や筋が付着する骨の方が弱いため、度重なる投球ストレスなどにより内側上顆靭帯付着部の裂離骨折を呈し、リトルリーガーズ肘とよばれます。小児期には裂離骨折が治癒せず偽関節になっても、パフォーマンスが低いので数週間で疼痛が消失する場合が少なくなく、成長とともに様々な障害を起こす危険性があるため、適切な治療が必要となります。 MCL損傷の主訴は、肘関節内側痛、全力投球不能、球速低下、遠投距離低下など、痛みによるものや、損傷に伴う力の伝達不良によってパフォーマンスが低下します。 合併障害として、変形性肘関節症や、尺骨神経障害などがみられ肘頭肘頭疲労骨折や肘頭骨端線離解、離断性骨軟骨炎などの合併もあり、診察の際には多彩な症状を示すので注意が必要となります。
診断 MCL部の圧痛が存在し、軽度屈曲位で上腕骨と前腕骨を把持して外反ストレスかけると、肘関節の内側が開大し疼痛をきたします。 画像診断ではエコーやMRIが有効でX線検査の場合では健側と患側で外反ストレスをかけた状態で撮影し肘の外反角度とその他の症状により評価できます。
治療 強い炎症が生じている場合、まずは局所の炎症を抑える治療を行います。1~3カ月の投球などの痛みや組織の損傷の原因となる動作を中止します。機能障害が改善していない状態で投球を継続すると炎症が落ち着きません。組織の回復を図るため、マッサージやストレッチ、超音波などの物理療法を加え、筋タイトネスを取り除き筋肉などの軟部組織の状態を良くします。 その後投球フォームや体の機能向上のためのリハビリテーションを行い、少しずつ投球の開始しに移ります。靭帯の損傷は基本的に回復が乏しくありますが、MCLの微細損傷や部分断裂では、尺骨動脈が通っており治癒しやすく保存療法が行いやすいです。しかし靱帯断裂の場合は自然治癒は望まれないため、疼痛はもちろん著しいパフォーマンスの低下、場合によっては日常生活に支障をきたすこともあるため靭帯の再腱術を行うことが必要になります。
当院では、西洋医学や東洋医学など多角的に症状がどこからきているのか全身見立てで、症状改善を図ります! 崩れてしまっているバランスを整えるため、手技療法を加えて、全身的に体をよくします。 また、超音波、微弱電流、等、物理療法を個々の症状に合わせて行い、疼痛緩和、筋緊張の緩和、損傷した組織の早期回復を促進させます。 その後運動療法として再発防止、体の機能、使い方の向上のため、セルフストレッチ、エクササイズといった運動指導を行います! |
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