鼠径部痛症候群


2020/7/17

鼠径部痛症候群

鼠径部痛症候群

病態

鼠径部周辺部の痛みは、痛みの原因を診断することが難しく、

症状が慢性化して、治療に長期間要することがあります。

特にキック動作が多い競技での発生が多く、自発痛は鼠径部と内転筋付近部に生じる例が最も多く、下腹部や睾丸の後方、座骨などにも痛みを生じることがあります。

定義として、「股関節周辺に明らかな器質的疾患がなく、体幹から下肢の可動性・安定性・協調性に問題が生じた結果、骨盤周囲の機能不全に陥り運動時に鼠径部周辺に様々な痛みを起こす症候群」と考えられています。

足関節捻挫や下肢の打撲、腹部外傷などが原因になることもあります。

慢性化してくると、立ったり座ったりする時やくしゃみをしたときに鼠径部に痛みが発生します。

 

発生要因

サッカーでの発生が多く、片脚立位で下肢をスイングしてキックするサッカー特有の動作に発生原因があると考えられています。

また、下肢の打撲や足関節の捻挫など何らかの障害をかばって運動を続けた結果、不自然な身体の使い方をして可動性・安定性・協調性が不良になり発生することもあります。

 

評価

体幹から股関節周辺の可動域制限の有無、拘縮している筋腱の有無、(可動性の評価)、筋力低下の部位(安定性の評価)、体幹から下肢の協調性の有無を評価する事が重要とされています。

片足立ちをして、反対の足を抱え込んだりした際に、疼痛が誘発されるのも一つの兆候とされます。

サッカーではクロスモーションと呼ばれる、足のみに限らず、キックと対角にある上肢帯の伸展運動も利用して全身でキック動作を行うことが重要であり、その動作が取れているか評価することが重要です。

 

治療

スポーツ活動時に痛みがある場合は、活動を中止し、股関節周囲の筋肉の拘縮をマッサージやストレッチを行い、可動性の向上を図り、可動域が向上し痛みが落ち着いてきたら筋力低下のみられる部位の強化を図り、その後身体の協調性を高めるためのリハビリテーションや動作訓練を行い、症状改善及び、再発予防に繋げます。

 

股関節周囲に痛みや違和感がある場合は、専門家の評価の下、適切な治療を受けることをお勧めします。

当院では、西洋医学や東洋医学など多角的に症状がどこからきているのか全身見立てで、症状改善を図ります!

崩れてしまっているバランスを整えるため、手技療法を加えて、全身的に体をよくします。

また、超音波、微弱電流、ハイボルテージ等、物理療法を個々の症状に合わせて行い、疼痛緩和、筋緊張の緩和、組織の早期回復を促進させます。

その後運動療法として再発防止、体の機能、使い方の向上のため、セルフストレッチ、チューブトレーニング、動作指導等、運動指導を行います!




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