今回は踵の痛みを訴えて来院された患者さんの症例をご紹介させて頂きます。
クラブチームで野球をしている中学1年生男子で走行時やジャンプなど、
運動時及び、荷重時に踵に痛みがあると訴え、来院されました。
検査及び評価をおこなったところセイバー病の疑いがあり、組織の回復、炎症の改善
や下肢の機能向上を目指して治療を行いました。
治療は下腿を中心に下肢の筋緊張を緩和させるため、マッサージやストレッチなど
手技療法をメインにおこなっていき、患部の状態を改善していきます。
低周波の電気治療や微弱電流を患部におこない、損傷してると思われる組織の
回復と疼痛のコントロールを行います。
他にも超音波治療器による温熱効果により組織の回復、筋緊張の
緩和など、物理療法もおこない手技療法による治療効果に相乗効果を与え症状の改善を
図ります。
また、患部の動きやすさや患部へかかるストレスを軽減させるために
テーピングによるサポートも行いました。
股関節周囲の筋や大腿の筋、足底など下肢の機能を向上させ、患部に加わる
ストレスを軽減させるため患部外の治療も同様に行っていきます。
練習はなかなかぬけれないとのことで、練習と治療を並行していくかたちになりました。
週2.3回の治療でセルフケアも指導し、自宅で取り組んで頂きました。
治療開始2週間程で症状は半分ほど軽減し、
その後は疲労度や練習量により痛みが増したり、落ち着いたりを繰り返しながら
治療開始から1ヶ月半ほど経過し、筋の張りはあるものの、痛みも出なくなり
患部周囲の状態も向上しハードな練習もこなせるようになりました。
成長期の特有の成長障害は、適切な治療を行わなければ、その後のパフォーマンスに
大きな影響を及ぼすリスクや、選手としての大切な時期を無駄にしてしまう事があります。
症状と競技、必要な治療をしっかりと受け上手くこなしていくことが大切かと思います。